高校の文化祭があって、当時俺は生徒会やってたのね。
後夜祭にて男装大会をやることになり、俺とかが中学校の頃の制服を貸し出すことにしたのさ。
で、当日。
俺はその頃1年生で、なんか女の先輩方に人気があった。
「これ、着て」と言ってセーラー服を寄越しやがる。
生徒会の連中も、「着ろ!着ろ!」言ってきた。
あの雰囲気になってしまうと着るしかない。
・・・着ました。
誰のかは知らないけ、どこれも中学生のものらしく、ちょっと小さい。
なかなかスカートが穿けず、手伝ってもらったりした。
「ちょっと面白いな。おい、その格好で生徒会室行ってセロハンテープ持ってきてくれ」
(会長!そんな殺生な!)
その言い方は明らかに俺を使って遊ぼうとしているのが見え見えだった。
が、会長は絶対なもんで言うことを聞くしかない。
女装大会はまだだったが、後夜祭はすでに始まっており、校舎には人がいないはずなのだが、どうにも恥ずかしかった。
少し離れた生徒会室へ行く途中、ほらあるだろ?階段の所にある大きな鏡。
卒業生寄贈とかってやつ。
そこでポーズを取ってる、男子ブレザー姿の知らない女の生徒がおったのさ。
鏡越しで目が合っちゃって、俺は緊張したけど、その人はにっこり笑って言ってきた。
「あはは、何その格好。可愛いー」
「せ、先輩こそ何やってんです?」
見た目が年上っぽかったので勝手に先輩だと判断した。
否定されなかったので、実際そうらしかった。
「男子の制服ってあたし憧れてて」
よく見るとその制服は俺のだった。
「あ、それ俺のですね」
「そうなんだ。ふうん、なんかエッチだね」
「ああ、分かります。その気持ち」
セーラー服を着た自分もなんか変に興奮してたので共感できた。
そしたらその先輩が、「あ、それって私のだ」と言ってきた。
「スカートのとこに名前書いてあるんだ」
そう言って、うふっと笑った。
「ねえ、スカート捲っていい?」
最初は名前の確認のためだと思っていたのだが・・・。
「私、スカート捲るのって好きなの」
悪戯っぽく言う。
(ちょっと待て。こっちは下にトランクス穿いてるんだ!)
「す、すみません、この下、トランクスなんですよ」
「うん、パンツ見たいから捲るの!」
小さい子供みたいにワガママっぽく言う。
あの時、ちょっと俺はドキッとした。
「駄目なもんは駄目です」と一生懸命抵抗したが、前触れもなく突然スカートを捲ってきたので、隠すことが出来ず、トランクスを見られてしまった。
いや、それだけではすまなかった・・・。
緊張と同時に興奮していた俺のモノは、トランクスにテントを張っていたのだ。
それも見られてしまった。
「ああ、エッチなんだ~、君」
その口調は責めるものではなく、囃し立てる子供みたいな口調だった。
「・・・ごめんなさい」
こりゃ謝るしかないだろう、状況がどうであれ。
「いいよ、私もエッチだもん。それにしても立派なモノを拝ませて頂きました」
笑いながらそう言うと、この人は俺の手を握って、「生徒会の子だよね。一緒に行こうよ」と引っ張った。
なんとも不思議な人だなと、この時は思っているだけだった。
名前すら知らないけど、なんか親しみが持てた。
それから2ヶ月後、俺は再びこの人と出会うことになるのだが、それはまた別の話。
あの後、生徒会長に、「セロハンテープはどうした?」と言われたのはどうでもいい話だ。
ちなみにその人が着た制服はそのまま家に持って帰りました。
何に使ったかは脳内補完でw