子犬がミルクを舐めるかのように「ピチャピチャ」と音をたてて舌を動かした | H体験談~エロばなまとめ

   

子犬がミルクを舐めるかのように「ピチャピチャ」と音をたてて舌を動かした

女の白いブラウスを引き裂くと、淡い桃色のブラジャーが目に入った。
黒いタイトスカートのホックを乱暴に外し、ストッキングを破り捨てると、小さなリボンの着いたショーツがあらわれる。「意外とかわいいのを履いているじゃねえか」
 女は、そんな状態に陥っても、全く表情を変えはしない。それどころか、微かな嘲笑さえ浮かべていた…。
「このやろう・・」自分は、女の胸の物に手を掛け、剥ぎ取った。そこには、充分過ぎるほど実った乳房がある。乳首は既に固く尖り、湿った光沢を湛えている。

「着痩せするんだな」女は自分の声なんかに反応は示さない。ただ、成り行きに身を任せているだけだ。自分はそんな女の顔から目を放し、乳房に喰らいついた。

 「あ、ああ」何物よりも柔らかで握った指がめり込んで行きそうだ。
 「あ、ああァん」

 乳首を口に含み、舌の上で転がす。唾液で滞れたそれは、別な生命体のようにそこに存在する。「ああ、いいぃ・・」女は早くも身悶えを繰り返していた。自分は右手をそっと下腹部に忍ばせる。

 薄目の茂みは、指に心地好い柔らかさを保っていた。中指で亀裂を探ると、そこは既に溢れんばかりに湿っている。

「あん、はやくゥ・・」

 人差指は、突起部分を探り当て、軽く腹でなぞっている。そこは、より固く、大きくなり、部分の湿度は一層高まる。
「ああ、あ、お願い・・」

 自分は、女の後ろからショーツに手を掛けスルリと冷たい尻を滑らせた。難なく脱がされた最後の衣装は、ただの布切れとなって丸まってしまう。完全なる無防備となった肢体はこの世に存在する生命のなかで最も美しい。

 黒く長い、ウェーブのかかった髪。卵形の輪郭に品欲収まった顔。潤んだ瞳に、長い陣毛。小さく尖った鼻に小さな唇。美白な肌。長い手足。張り詰めながらも柔らかい胸に、くびれた腰、優しい背部。

 その総てをこれから自分が好きなように恥辱するのかと思ぅと、もはや、理性という言葉は二度と脳裏に浮かんで来ようとはしなかった。「早く、早くきてェ」女の少し高い、透き通るような声が身体に響く。

「よしっ!」自分は、いきり立った一物を右手に持ち、ぬめりの部分に亀頭をあてがった。「いざ」気合を込めて、腰を沈めようにした途端
「ジリリリリリ!」

 枕元で狂ったように鳴り響く目覚まし時計の音で、自分は眼が醒めてしまった。
目醒めのはっきりしない脳髄は、今だ両手の指先に夢の残り感を伝え、今にも爆発しそうな分身は、赤紫の亀頭を少し濡らしている。

「くそう」自分は、けたたましく鳴り続ける目覚まし時計を思いっきり叩き、現実のなかに身を押し込んだ。だるい午後。自分は、誰一人客の居ない喫茶店のカウンターのなかで、昨夜の夢のことを考えていた。

 二十二才になる今日まで、この手の夢、つまけ、淫夢というものは何度もみたことがある。十五の年、最初の精通があったときも、同じ様な夢のお陰だった。

この辺りのところは、ごく普通の健康な男子として当り前のことだ。ただ、自分が普通でもないとするなら、二十歳になってから見るそれは、決まって一同じ女性で、同じ光景なのだ。それも、「いざ」というときに目覚めてしまう。

つまり、自分は、夢のなかの憧れの女と、ただの一度も交わったことがないのであった。
「一体、あの女は誰なんだろう。それにあの風景。あんな所に行ったことなんかないのになァ」

 寂れた漁師町。人一人居ない昼問の狭い路地裏。崩れかけた廃屋の間から、低い防波堤と砂浜が見える。なにげなしに歩いていると植木鉢の並ぶ家の前に、あの女性が立って居る。

死んだ町には似合わない、清楚な服装。目深に被った日除けの白い帽子は、レースの飾りが付いていて、眩しい陽光によく似合っている。小さな店のなかには、バイトの自分以外誰もいない。マスターは、昼食時の忙しさが終わると、さっさとどこかへ消えてしまう。

「カラン、カラン」その時、ドアの鐘が鳴り、一人の客が入ってきた。
「いらっしやいませ」自分は、事務的に声を掛けると、汗をかいたグラスを持ってテーブルに着いた。

「いらっしゃいませ。ご注文は?」
「アメリカン」

 綺薦な声だった。小さいが、よく通る声であった。その女性客は、白い帽子を被っていて顔を見ることが出来なかった。
「かしこまりました」自分が下がろうとすると、客は帽子を取りながら声を掛けた。

「煙草、置いてます~?」「はい」

 自分は言い掛けて、女の顔を見た、言葉を飲んだ。女は、あの女であった。つまり、夢のなかに登場する女性そっくりなのであった。
「じゃあ、マイルドセブンを」

 夢に出てきた女は目の前にいる女と何もかもがそのままであった。そして、自分の脳裏には、夢の通りであろう彼女の裸体が、生々しく蘇った。

(このブラウスの向こうには、片手では余るほどの胸があって、くびれた腰の裏側を撫でると、突き抜けるような歓喜の声を上げる。そう、ある時は、その唇に俺自身を包み込み、長い足は、下品になる事なく大きく開かれる。)

 抜けるような白い肌は、いつしか薄紅に上気して、そして、俺は、俺は・・・「アッ・・」自分は下半身に血液が流れ込むのを知った。慌てて前を隠し、カウンターの中へと戻った。

 渡された煙草の封を、彼女は、その細い指で挟じ開ける。軽く一本取り出すと、おもむろにマッチで火を付け、唇に近付ける。
「お待たせしました」自分は褐色のコーヒーが入った白いカップを差し出し、再び彼女の表情を覗いた。

彼女は、自分には全く興味を示さず、二口三口吸っただけの煙草を黒い灰皿にもみ消し、砂糖も何も入れずにカップを口に運んだ。

 雨は静かに降っていた。流れるような音楽は、彼女が付けるマッチの音を掻き消すほど大きくはない。雑誌を読むではなし、外を眺めるではなし、彼女は紫煙をくゆらせながら、時たま、思い出したかのようにカップに唇を付ける。

 宙を泳がす瞳は微かに濡れている。組まれた足は、薄色のストッキングに包まれ、足首の細さが印象的である。暫くして、彼女はトイレに立った。

(いい女だなァ・・。見ているだけで・・)自分は、再びいきり立とうとする物を必死に気をそらし静めようとした。戻った彼女は、一旦は席に着いたものの、直ぐに立った。

「あ、ありがとうございます」自分は、彼女から勘定を受け取った。その時、彼女からは、来た時には漂わなかった香水の香りがした。「この香り」思わず声を出した自分ではあったが、彼女は何食わぬ顔をして店を出て行った。

「この香りは・・」一人残された店内で、自分は必死に記憶をたどっていた。母親が付けていたものでもない、昔付き合っていた女が付けていたものでもない。しかし、確かにどこかで嗅いだことのある・・。

「いつ、どこでだったんだろう」灰皿のなかに残されたルージュの着いた吸殻を見詰め、カップのなかに少し残されたコーヒーを見詰めた。だが、その匂いのためか、自分が再び起き上がっているのを知ると、少し前屈みのままカウンターへ戻った。

 女は、それからも度々訪れるようになった。「アメリカンとマイルドセブン」

 オーダーはいつも同じで、三本の煙草を口にして、トイレに立って香水を付けると出て行った。時間は決まって同じで。殆どの場合、店のなかには彼女と自分の二人しかいなかった。

 例の夢も、頻繁に見るようになった。しかし、相も変わらず最後の一線は超えることができない

 「身体中を舐めつくした。 フェラチオ、シックスナインもした。イラマチオすらしても発射することは出来ない」
疲れた日なんかは、彼女の姿を見ると、夢のなかの出来事がリアルに思い出され、なまらなくなり、トイレで放出してしまうこともあった。

「こ、このままじゃあ、理性が外れてしまう」下半身は常に重く疼いていた。もはや、薄着の女性を見るだけど、血の流れの変わるのが分かった。

「抱きたい。現実のあの女を抱きたい」悶々とした日が続き、もはや限界が見えてきた頃、チャンスは自ずから訪れた。その日も、昨夜の夢のために気が付くと右手はズボンのふくらみを撫でていた。季節は夏も盛りとなっていて、冷え過ぎた店内では身体の調子も芳しくない。

 よく晴れた水曜日の午後、いつものように彼女は現れた。「いらっしゃいませ」何かに期待を込めて、声を掛けた。その日、彼女は珍しくカウンターに席を取った。

「アメリカンとマイルドセブン」彼女はいつもの声でオーダーを通んた。自分は、ドキドキしながらコーヒーをたてた。その間、彼女は宙を見詰めて煙草を燻らせていた。

「お待たせしました」自分は、手の震えるのを自覚しながらカップを差し出した。

 蝋細工のような白い指先は、カップの把手を三本の指で摘み、小指は遠慮がちに立っている。少し伸ばされた爪に塗られたマニキュアは唇の色と同じである。

「あ、あのゥ」自分は勇気を振り絞って声を掛けた。彼女は、静かにカップを置いてこっちを見る。「なあに~」その無邪気ともとれる事の出来る声で、五回はマスターベーションができそうだ。

「い、いやあ、今日は暑いですね」もはや自分を見失い、つまらないことを口走っている。
「そうね」彼女は興味なさそうに答えた。
「いつか、どこかでお会いしたことなかったですか?」

「この店で会っているわ」
「いや、そうじゃなくて、何て言うか、昔どこかで・・」彼女は黙って煙草に火を付けた。

「そうね、私もそんな気がする」「でしょう!」自分は、思わず大きな声を出してしまった。
「特に貴方のコロンの香り、どこかで鼻にした記憶があるんですよね」 彼女は、その言葉を聞いて少し微笑んだ。

「それ、ナンバのつもり~」
「そ、そう言うわけじゃ・・」うろたえる自分の姿を見て、彼女は両手で口を隠して笑った。そのベージュのブラウスは、袖口が大きく、腕を上げると中のプラジャーがまともに目に入る。

 豊かな膨らみは、今にもこぼれ落ちそうである。
「貴方、今日お仕事何時まで?」彼女はにこやかに言った。
「はい、五時までです」「それじゃあ、五時過ぎに駅で待っているから、よかったらお食事でも一緒にどう?」

「は、はい!」と、自分ははちぎれんばかりに首を縦に振った。
「じゃあ」彼女はそのまま立とうとした。

「あっ、煙草お忘れですよ」「いいの」彼女は振り向いて言った。
「もう必要ないから」そう言い残すと、勘定を置いてドアの向こうに消えて行った。
 自分一人残された店内には、心地よいブルースと、彼女の残り香だけが漂っていた。

夕暮れの時のホテルのレストランは、色んな人間で一杯である。ウィークデーなので、家族づれの居ないのが何よりも幸である。
 「私は食事の前にシェリーをいただこうかしら。」
「じゃあ、僕も・・」一回り小さいワイングラスのようなものに、その酒は薄い黄金色をしていた。

「じゃあ、乾杯」グラスが小さな音を立て、夜が始まった。
食事をする女の姿が色っぽいのは、少し前から知っていた。銀色をしたフォークを唇で挟む仕草は、それなりに性的興奮を呼び起こす。彼女の口に白濁のポタージュが飲み込まれるのを見て、自分は、我を忘れて見惚れてしまっていた。

「どうしたの? いただかないの?」茫然とする自分の姿を見て彼女は言った。
「いえ。いや、猫舌なもんで」慌ててスープを口にすると、余りの熱さに吹き出してしまった。

「ほんとに熱いね」彼女は、その姿に笑いだした。
「貴方、見かけによらず楽しい人ね」
「そう見えませんでした?」

「ええ、昔はね」「昔?」自分の問いに彼女は答えなかった。魚料理が運ばれ、ドイツの白いワインが注がれる。
「お強いんですね」「今日は酔いたいの」「どうして?」

「さァどうしてかしら」と出された肉の塊を、彼女は口に運ぶ。癖なのか、時たまだす舌の動きは、艶かしく、卑猥である。コースは総て終え、コーヒーを飲みながら彼女は言った。

「貴方のたててくれたコーヒーの方が美味しい」「それは光栄です」「貴方、私のコロンの香りを覚えていてくださったのね」
「いえ、はっきりとして記憶はないんですが、なぜか凄く懐かしくて」

「・・懐かしいでしょうね。随分前のことですもの・・彼女は意味あり気に口にした。
「部屋をとってあるの。貴方の好きだったスコッチを用意してあるわ」
「僕の好きな?」彼女は微笑みながら言った。

「貴方は今日から私のことを思い出していくのよ。そう、何もかも」酔いのためか、上気して、ピンクに染まった頬、そして、一層潤んだ瞳。 自分には、もはや彼女の口にする言菓など、耳の中に入ってこなかった。

 薄暗い部屋のなかには、セミダブルのベッドが二つ。これから始まるであろう事の期待を嫌がおうにも盛り上げてくれる。スタンドに照らされたテーブルの上には、小振りの角の取れたキューブのボトル。

「オールド・パー」「そう、貴方、大好きだって」彼女は右手でボトルのネックを持ち、軽く唇をした。
「確かに好きだけれど・・。貴方の言うことには、何か、僕には理解できないところがある」

 彼女は、そんな僕のことなんかお構いなしに、ボトルを元の状態に戻した。
「シャワー、浴びてきていいかしら」「ええ」髪を軽く掻き上げ、彼女はシャワールームに行く。自分は、少し冷静になりつつある頭で、これまでのことを思い返していた。

「何か、旧知の仲のように俺のことを話している。けれど、俺の脳味噌のどこを探してみても、彼女と出会った記憶はない。じゃあ、彼女は俺の夢のなかに現れるのを承知しているのか。そんな馬鹿な・・」自分は、ベッドの上に仰向けになり、煙草を一本取り出した。

「煙草は吸わない。 吸う必要がない。俺の気をひくための演技。何の為に、どうして」

 シャワーの音がとまり、扉が開いた。「気持ちよかった。貴方も浴びてくれば」黄色いタオルは、豊満な胸の膨らみでかろうじて留まっていた。剥き出しにされた太股は、俺の性欲をくすぐった。

「お酒の用意しておくわ。最初は水割りだったわね」
自分は、もはや疑問を問い返すことはしなかった。もしも、彼女が何らかの理由で、自分を使って一人芝居をしているとしても、それに従うつもりだった。

 身体を打ち付ける熱い湯は、ほろ酔いの肌に心地好い。
(一人芝居をしているにしては、俺の好みを何もかも知りつくしている。調べた? 興信所でも使って。そうする理由は~誰かの代理。それにしても、それなら、俺の夢は。予知能力。予知夢。そんな物は何年も前から見続けるものなのか)

 今一つ釈然としない気持ちを抱きながらもこれからのことを思い浮かべると、自分の男としての機能は、触れるだけで爆発しそうなほど昂っていた。部屋に戻ると、女は衣装を身に付けていた。

「あっ・・」自分は女の姿を見て息を飲んだ。「こちらへいらっしやい。用意は出来ているわ」白いブラウスに黒いタイトスカート、半ば乾ききっていない髪は、肩の上に垂れ下がっている。

 「はい、あなたのガラス」女は近づき自分の前に薄い琉拍色のグラスを差し出した。
「ああァ・・」「まだダメよ。まずは乾杯してから」

 「か・ん・ぱ・い」彼女は微笑んでベッドヘ腰をかけた。自分は、その冷えきったウイスキーを一気に飲み干すと、大きな溜息をついた。

「あい変わらず強いのね」
彼女は上目使いで自分を見る。そして、グラスに口を付けると、瞳を伏せて喉を鳴らした。

「貴方はどうして・・」自分は、疑問をぶつけることでこの場の状態が変わることがないと確信すると、敢えて、今まで口にしなかった言葉を吐こうとした。

 だが、彼女は人差指をすました鼻の前に差し出してそれを刺し、「貴方の言いたい事は分っているわ。けれど今夜はこのままでいて」と表情を変える事なく言った。

「とにかく、そんな所に立ちつくしていないで、こちらに来れば」

彼女は長い足を組みながら言った。自分は、バスタオル一枚巻いたままの格好で、彼女の隣に腰を静めた。

「二杯目からはオン・ザ・ロックだったわね。じゃあ私も」まだ、少し残っている彼女のグラスは、中の氷を浮かべたままベッドスタンドに照らされた。
 「グラスを替えるわね、大ぶりのウイスキー二つとも」グラスが、彼女の白い指の中で輝いている。
「用意がいいんですね」「ええ、夜を演出するのに、手を抜いちゃいけないわ」

 薄暗い光のなかで、彼女の横顔は、まるで高級な娼婦のように艶かしい。少し反り上がった目尻には、染み一つもなく、唇は常に微笑んでいるかの様でいて、柔らかい。それは全く非の打ち所のない美しさである。

「はい」彼女は自分の目を見ながらグラスを手渡した。「ああ、どうも」自分は、その指に触れたとき、もはや止めることの出来ない衝動を覚えた。(駄目だ、もう我慢が)

 頭の中がショートし、唇が震えだした。それでも、何とか平静を保とうとし、足を組もうとした瞬間に腰のタオルが床に落ちた。「あら」
 彼女の視線が、あからさまになった下半身に注がれた。そこには、天井を真っ直ぐ向いた男がそそり立っていた。

「フフフ、凄いわね」自分は、何も言うことができなかった。彼女は、唇を少し開き、瞳を細め、左手でグラスを口に運び、やがて、冷たい右手で自分に触れた。「ア・・!」「何も言わないで。私の好きにさせて・・」



 彼女は、そうしながら、少しだけのウイスキーを飲み干した。喉の中程が、小さく動いた。そして、空になったグラスを置くと、そうっと顔を沈ませ、一瞬自分の顔を見たかと思うと”ぬるり”とその唇のなかに一物を含んだ。

 自分は、グラスを両手で持ったまま、天を仰いだ。思わず、心地好さに腰を振ってしまった。彼女の技は、それは巧みで、喉の奥深くまで含み続けていても、舌を休めることをしない。暖かい唾液が溢れんばかりに滴り、湿った音が響いた。

 空いた左手は、パニスの裏を撫でていた。顔の往復は、時には、小さく浅く、時には、深くゆっくりで、舌は、まるで別の生命体のように、尿道を舐め、竿を含んだ。

「も、もう・・・・」「いいわよ、ハウ、出しても」動きが、速く深く激しくなってきた。顔を回転させ、先が頬の裏側に当たる。

「ハフ・・ヒ、いいのよ。ホゥ、フ、フちのなかに、ハヒ、いっても・・」 自分はたまらなくなり、、グラスを床に落とし、両手で彼女の髪を掴んだ。

「イ、イぃ・・」「グチュ、クチュクチュ・・」「ア、アァア~!」

「チョうだい、ハ、あなたのぉ・・」自分は、とうとう、彼女の口に発射した。疼くべニス、両足が痙攣する。腰は、総てを吐き出すまで揺れ続け、彼女も放そうとはしない。

「あぁあー」脳裏が白くなる。耳に、彼女の喉の鳴る音が聞こえる。
自分は、ぽやけた視線を落とした。彼女は溢れた白濁の液を拭っている。自分は、瞳を閉じて口を塞いでいる彼女に声をかけようとしたが、適当な言葉は浮かびそうもない。

 だが、彼女は、自分を見詰めると、舌なめずりをしながら微笑んだ。その唇が今まで自分のものにまとわりついていたかと思うと、何とも言えぬ思いがよぎった。そして、彼女は言った。

「綺麗に、してあげる」再び自分の物に顔を埋めた彼女は、子犬がミルクを舐めるかのように「ピチャピチャ」と音をたてて舌を動かした。

 意外なことに、さすがに遠慮したが、覚悟を決めると、今度は、少し冷静に、彼女を観察することができた。軽く閉じられた瞳は、長いまつげの下で微かに動いている。時々小鼻がひきついていた。

 唇のルージュは既に取れてはいたが、それでも深い赤色を保っている。

「クチュウ、クチュクチュ。はゥ、はァ、グチュ、クチュ」

 髪は乱れ、少し汗ばんだ額に貼りついている。自分は、思わず残虐な気分を覚え、彼女の後頭部に両手を伸ばした。その時、彼女は一瞬瞳を開けて自分を見たが、直ぐ元の表情に戻った。

自分は、構わず両手に力を入れると、彼女の首を固定し、可能な限り深く腰を突き刺した。「うっ!」先が喉の入り口近くまで達したとき、さすがに少し抵抗はしたが、舌の動きは休まなかった。自分は、腰を抜ける寸前まで引き、力を込めて再び深く埋め込んだ。

 「うゥん・・」彼女は、艶っぽく喘ぎ声を上げ、首を左右に振った。だが、構わず、激しく、腰をグラインドさせた。
「ううゥううん、う、うゥゥ・・」唇から唾液が溢れ散る。力の限り髪の毛を掴み、叩きつけるかのように腰の動きを続ける。

「ううゥりう! う・・!」たまらなくなったのか、彼女はペニスを放した。いきり立っていたものが「ピチャリ」と彼女の頬を叩く。
「アン、意地悪」彼女は、きつい眼で自分を呪んだ。

「うるさい・・!」自分は、彼女をベッドに押し倒し、上に覆い被さった。
今までの行為で、もう、戦闘用意が出来ている。彼女は、あい変わらず自分を睨んではいたが、その瞳のなかに憎悪の色はない。それどころか、それが、そのまま彼女の部分を表現するかのように潤んでいる。

 自分は、両手を押さえたまま唇を重ねた。直ぐに、舌が自分の口の中に入ってきた。長い接吻であった。少しざらついた彼女の舌が、自分の歯の裏、歯茎の間、奥歯の上を這いずり回った。自分も、彼女の口内の隅々まで舌と唾液で味わった。

「お上手。思わずうっとりしちゃう」
息を弾ませ、チラリと粘液の糸を滴らせながら彼女は言った。

「そんなこと言われるの、初めてだよ」彼女は微笑み、再び眼を閉じた。自分は、そのまま唇をずらし、彼女の首筋に這わせ、ぽってりとした耳たぶに歯を当てた。

「アッ」彼女は小さく悲鳴を上げた。自分は、少し歯に力を加えた。
「い、痛・・」「この野郎・・!」 自分は、ブラウスのボタンを引きちぎった。ボタンは、パチパチと弾けてシーツの上に散った。ベージュのブラジャーが現われ、その豊かなふくらみを両手で鷲掴みにした。

「あん、いたァい・・!」彼女は声を上げたが、構わず自分は寄り付いた。熟れすぎた白桃のような柔らかさで、傷を付けると、果汁が飛び散るようだ。口を放し、乱暴に剥がす。自由を得た肉塊は、緩やかに揺れる。唾液を目一杯溜めて、しやぶりつく。

 乳首は既に立っていて、噛み千切ってしまいたい衝動ににかられる。
「ああァん」飢えた赤子のように揉みしだき、自分は口のなかで、その乳首を転がし続けた。

 「いや。い、いいィん」右手は、いつしかスカートのホックに掛かっていた。
腰から下にファスナーを下ろす。以外に大きな音がする。身体を起こし、静かにずり下げる。ダークブラウンのストッキングの向こうに、ショーツが透けて見える。

「アアァン、いい、いい」腰の辺りで顔を止め、ナイロンをを剥がす。
あからさまになった素足は、眩しい位に美しい。太股の間は、何者をも通すことができないくらい堅く閉じている。身体の動きに合わせて揺れる乳房。足の指、二本一本にまで染みの一つもない。

 よく手入れされたその爪には、ピンクのペディキュアが施され、淡い光のなかで艶やかに輝いている。
「何て美しいんだ。何て綺麗なんだ」この年まで、幾人かの女性の裸体を見てきた。

もちろん、映画、グラビアも含むわけだが、これ程美しい姿は見たことがない。

 そう、夢のなかを除けば。その指、一つ一つを口に含んだ。全く引っ掛かりのない素肌の隅々を舐めた。
「ああん、早くゥ」女は、切ない声を上げ始めた。

 「まだ、まだ・・」身体じゅうが、ねっとりするまで舐め続けた。こうすることで、現実であることを確認したかった。今、自分の目の前に存在するものが、脳裏のなかでは、既に幻のように思えもしたからだ。

「ねェ、ねェ、お願い・・」女は、最後の衣裳がなかなか取れないことにジレンマを感じたのか、頼りに自分の手を取って裳願する。
「よし、じやぁ」

 自分は、胸に顔を埋めたまま、右手の指を掛ける。そして、足の親指で、一気にそれを脱がす。彼女は何も隠そうとせず、仰向けになっていた。首だけが横を向き、上気した肌と、呼吸の度に脹らむ胸の動きだけが艶かしい。

 自分は何もせず、ただその姿を見詰めていた。多分、この世のなかに存在するであろう美の一つを、これから味わうことの出来る事びに感動していた。

「ううゥん」女は、小さく声を出して身を振るった。

「ア、アア!」長い足がまとわりつく。暖かい感触が、男に絡み付く。
「夢じゃないんだ。これは、夢じゃない」
 女は、高々と足を挙げて、自分を奥深くまで迎え入れる。動かす度に「グジュ、グジュ」と湿った音がする。
「ああ、もっとよ。そう、もっとォ」

 充分過ぎる愛液。ぬるりと溢れ落ちるのが分かる。
「あ、いいィい。頂戴、もっとォ」
息遣いが激しくなり、自ら腰を打ち付けてくる。自分は、女の片足を高く持ち上げ、砕けよとばかりに腰を振る。

「あ、あァァァァァ」女は身を起こし、唇を重ねにくる。その表情は、忘我の極地に陥っているようだ。

「む、むゥう。はっ、ね、ねェ」女は自分を押し倒し、騎馬の形に身を任す。髪を振り乱し、下半身で円を描き、だらしなく開けられた口元からは、赤い舌がときおり覗く。

「ああ、お願い来て、一緒に来てェ!」乳房が落ちよとばかりに揺れ動き、肉体が軽く痙攣すると、彼女自身がきつく閉まり、自分は不覚にも中に放出してしまった。
「ア! ああァァ・・」瞳を閉ざし、半ば口を開けたまま、彼女は自分の上に覆い被さってきた。

「ハァ、ハァ」息使いは荒く、しばらくは何を言っても耳には入らないであろう。「ピクピク」と痙攣していた。自分自身は、やがて、彼女のなかで収縮してしまうと、最後の一滴を絞り出して抜け落ちた。

 時間が空気の中で揚々と流れた。体液の総てを流しだした二つの肉体は、身動きすることすら忘れてしまっていた。
「見かけによらず、凄かった・・」

彼女は、ようやく口をきいた。「大丈夫~」「何が?」「中に出しちゃったけど・・」彼女は、汗に濡れた髪を掻き上げながら言った。

「心配しないで、そんなドジな女じゃないわ」ニコリと微笑んで、彼女は自分を見た。その瞳のなかに、懐かしさを見出したのは、夢が達成できたからだけではなかった。

 季節は夏の盛りに変わっていた。あれから彼女の姿を目にはしていない。その日、珍しく父親が尋ねてきた。一人田舎で暮していた祖父が逝ったらしい。

「俺、田舎に行くの初めてだな」「そうだろう、俺も何年かぶりで戻ることになる」
「どうして、時々帰ってやらなかったの」
「ひどい人間嫌いでな、他人はもちろん、僕らでさえ逢うことを嫌っていた。」「ただし!」

「母さんが亡くなってからだが」田舎の家は、太平洋が一望できる山のなかに在った。父親の兄弟が建てたというこの家は、立派ではあるが、老人が一人で住むには不釣合いであった。

 葬式も終わり、自分は久しぶりに親戚の中で飲んでいた。
「もう酒はいいだろう。ウイスキーでもどうだ」
最後まで、近くの町で祖父を見ていた叔父がいった。

「オールドパーがある、親父はこれが好きでなァ」「ヘェ、意外とハイカラだサたんだ」
「ああ、親父は、ちゃんと帝大を出ているインテリだったんだ。村の中でも信望があって、傍らの自憎でもあった。どうしてあんなになってしまったのか」

 叔父は、水割を三つ作りながら言った。
「そうそう、若い頃はもてたらしい。なんでも、東京から酒落た女を連れてきたらしいが、突然帰ってしまったとか」

「所詮、村には合わなかったんだろ」話を聞きながら、自分はグラスを空けた。
「おっ、強いなァ。お代わりを作ろうか」
「すいません。あっ、ロックでお願いできますか」叔父は、自分の言葉を聞いて手を止めた。

「二杯目からはロック。死んだ親父と同じだ」
「そうだな、そう言われてみれば、こいつが一番親父に似ていないか」叔父と親父は、自分の顔を覗き込んだ。

 「そ、そうですか」「ああ、頭の悪いところを除けばな」親父はそう言って大声で笑った。

 三日の休暇を取っていたので、最後の日、一人で村を散歩していた。何もない田舎に無理して残る必要もなかったのだが、久しぶりの帰郷に心休ませている親父につきあわされたのである。

 山を降りると、そこは漁師町だった。赤く焼けた男立ちが、昼間から酒を坤っていた。
「あれ~」男達の輪の向こうに、この村に相応しくない姿の女が立っていた。

「あ、あれは」自分が近づこうとすると、女はすっと逃げ出した。
「ま、待って・・」自分は、慌てて後を追いかけた。

 防波堤に連なって並ぶ家は、どれも古ぼけていて、今にも潰れそ一つだった。狭い道幅一杯に、まるで己れの領地を誇示するかのように鉢植えが並べられている。

 その間の路地に女は曲がった。後を尾けながら、入り組んだ狭い道を走り回った自分は、いつしか覚えのある風景にぶち当たった。
「これは・・」「そう、貴方が昔眺めた風景」その声に自分は振り返った。

白いブラウス黒いタイトスカート。白い日除けの帽子と長い髪はその美しい顔を覆っている。そう、それは、あの甘美な一夜を過ごした女。
 「そして、あなたはこの風景の中で私を犯すのよ」
その女は髪を掻き上げ、端整な顔立ちをあらわしながら言った。

「俺はこんな所に来た覚えはない。それに君の言っている意味が分からない」女は、軽く微笑み、海を見ながら言った。

「本当はね、この風景を見ていたのは、貴方のお爺さん」
「爺さん~爺さんの見ていたものがどうして俺の記憶に」女は振り返り、動揺した自分の顔を見て微笑みを浮かべた。

「記憶ってね、遺伝するのよ。特に、強烈なものにね」女は、俺の側に近づきながら話した。
「貴方のお爺さんは、束京帝大に在学中、私のお婆ちゃんと知り合った。お婆ちゃんはお酒落で進んだ考えの持ち主。いつも身休の線が浮き出るスカートを穿き、ブラウスを身に着け、舶来のコロンを付けて煙草を吹かしていたらしい。」

 そんなお婆ちゃんに憧れた貴方のお爺さんは、献身的に愛して、とうとう学生の身でありながらお婆ちゃんを身籠もらせた。
お婆ちゃんは仕方なく、父親である貴方のお爺さんと結婚するためにこの村にやってきたんだけれど、こんな田舎じゃあ好奇の眼に曝されるのは当たり前のこと。

 けれど、それに耐えられなくなったのは、貴方のお爺さんの方。そして、ある日、一人でこの辺りを歩いていたお婆ちゃんは・・」
そこまで話すとと、彼女は、古ぼけた廃屋のなかに入って行った。

 その中は、表の暑さとは裏腹に、湿った空気とカビの山臭いが漂っていた。「ここよ」記憶がますます鮮明になった。自分は、この場所で彼女を凌辱するのだ。「ここで何が」だが自分は、冷静さを表しながら言った。

「ここで、何人もの男達に犯されるのよ」
彼女は自分を睨み付けた。自分の脳裏には、今まで浮かび上がったことのない記憶が蘇ってきた。

「荒くれた男達には、都会の繊細な衣裳は奮い立たせるに充分過ぎた。畜生のような男達は、可憐な女性を組み伏せ、辱めた」

 薄暗い小屋のなかで、女の衣裳は剥がされ、白い肉体が浮かび上がるり赤い岩のような男の筋肉が、潰さんがばかりにのしかかっていく。
本能を剥き出しにした顔々。女の可憐な表情は、歪み、悲壮感を漂わせる。血が渉むほど唇は噛み締められ、張り詰めた乳房はちぎれんがばかりに握りしめられる。」

 足首が掴まれ、徐々に開かれていく豊かな太股の間に、馬の後ろ足のような腰が沈んでいく。
「けれど、それは俺の爺さんのせいじゃ・・」
「いいえ、あの男たちを仕向けたのは貴方のお爺さん。そして、そういう風に女は辱めたかったは、お爺さんの本望」

 自分の頭に衝撃が走った。
「それで、夢のなかでは、君を・・」
「私をどうするって言うの~」

 女は悪戯っぼく笑った。けれど、その笑顔には、暖かさのかけらもなかった。

「女が煙草を吹かす、身休の線が浮き出る衣裳なんてもっての外。大きなお世話よね。それを承知でこんな田舎に連れ込んで来たんじゃない。けれど、お婆ちゃんは意地でもこの村に留まろうとした。そんな偏見なんか吹き飛ばしてやろうとして」

 彼女の表情は、いつしか遠くを見詰めていた。
「その結果がこれ。おなかの子どもはもちろん、精神もボロボロになってしまった。けれど、相手は別の人と結ばれて、見た目だけは幸せそうに月日を重ねて行く」

 彼女はそこまで話すとと、すっと自分の顔を見た。「いっ、一体、俺をどうしようって言うんだ・・」「どうもしやしないわ。私が、死んだお婆ちゃんに瓜二つで、今の際にこの話を聞いたとき、私のなかにくすぷっていた記憶が何なのか、夢のなかで私を辱める人が誰なのか、分かったわけ。

 そして、ある日、貴方の姿を見付けたときにそれを確信したわ。だって、貴方は、何から何まで、お婆ちゃんが言っていた人にそっくりだもの。お酒の飲み方も、女の抱き方も」

「女の抱き方~」
「乱暴で、それでいて優しくて」

 そう言うと、女はブラウスのボタンを二つ外した。
「当時珍しかったフランス製の香水、吹かすだけの煙草の香り。記憶は、あからさまな視覚に訴えるより、穏やかな感覚、例えば噴覚なんかに訴えたほうが蘇りやすいのよ」

「だから、君は・・」再びの笑顔は、例えようもないほど美しかった。

 「貴方は私を夢のなかで求め続け、愛し続けていた。あなたのお爺ちゃんは、あなたに愛することをも受け継がせて逝った。そして、わたしのお婆ちゃんも」

 女は、笑って歩を進めた。
「さァ、ここで抱いて頂戴。それが貴方の願望でもあり、私の願望でもあるのよ。そして、私たちに記憶を遺伝させた人達の・・」

 女の開かれた胸元は、差し込む光に白く照らされて眼に眩しい。差し出された両腕は、その中にはまり込むと、二度と再び抜け出せそうにない。

「一つだけ聞きたい。爺さんは、その後結婚して、俺の父親兄弟を育てた。けれど、婆さんが死んでからひどい人間嫌いになったというが、その理由が分かるか~」

「歳を取ると昔のことが蘇ってくるの。それに、美しいものはより美しく、醜いものはより醜く。貴方のお爺さんは人間を、他の人を嫌いになったんじゃない。より美しく蘇るお婆ちゃんの姿と、それをあんな目にあわせた醜さの狭間で、自分自身が嫌いになっただけのことよ」

 自分は、女の言葉を聞き、納得し、そして身を躍らせた。
女は悲鳴を上げずに、その肉体を自分に預けた。夏の匂いは残酷で、それでいて懐かしい。喘ぐその女の表情は、遠くに口にした甘露な料理のように、身休のなかを揺さぶり続けた。

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